自然の生命(いのち)の力 resilience

精神科病院で働いています。診療情報管理士通教84期。五感を癒して自然治癒力を高めるセラピーについても関心があります。一人旅が好きなので、旅のことも、時折書きたいと思います。ICD10リスト&要約ブログ作成開始。http://sizen.upper.jp/icd-10/

山陰の旅 3日目 美保関、境港、皆生


美保関の夜明けが見たくて、早く起きた。碧い海にいくつかの船が漂う。
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波止場、船着場には、少しずつ漁師の姿が見え始める。
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そして美保関灯台の方角からゆっくりと夜が明けていく。
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鳥達がおとずれ、漁果をもとめ、舞っている。
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日が昇りきるのをまち、
宿を出て、
美保神社に向かう。
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美保神社の建築のつくりは出雲大社に良く似ている。とてもおごそかで、しかし温もり溢れる感じは、山陰の雰囲気そのものだ。
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ご挨拶をし、巫女舞を少し拝見し、御神社を後にした。

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その後、青石畳通りを散策した。
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後鳥羽上皇後醍醐天皇隠岐に流される折に逗留されたという仏谷寺にも訪問した。もの寂しい雰囲気を感じる寺院だった。天皇であった人物がこの様に、漁村の小さな寺院から隠岐へ流されたとは、随分無念で苦しいことだったろう。
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美保関は、朝の光に輝いていた。いつまでもこの場所にいたかったけれど、、、名残惜しく後にして、境港に向かった。
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境港は、鬼太郎町興しで有名だが、昔も今も変わらず、どこか寂れた懐かしい風情を残している。小さな時から水木しげる好きな私は、ここも一人旅で度々訪れているが、ブロンズ像やショップが増えても、風情は変わらなくて落ち着いた気持ちになる。
ここぞとばかり水木しげるワールドを遊び尽くした。
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妖怪食品研究所の、目玉のおやじのお菓子も食べた。
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リアル、、、
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水木しげる記念館にも行った。
大好きな作品「一番病」のパネル。
どんなに成功しても満たされず、人よりも何もかも一番じゃなくては気が済まない、という性質の人を風刺した名作である。
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楽しかった。

町にも鬼太郎がいっぱいだ。
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猫娘電車に乗り、米子経由で皆生に向かった。
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皆生の海。
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対岸に、美保関、美保関灯台の明かりが見える。
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皆生温泉に何度も入り、そろそろ旅も終わりが近づいて来た。


明日は、旅のまとめを書きます。

山陰の旅 2日目 出雲大社~美保関

今日は、私にとって特別で一番愛している境港~美保関に向かう、最高の一日だ。
 
<<宍道湖畔>>
 
宍道湖の朝。薄霧の中をシジミ船が行く。
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素晴らしい景色だった。
 
美しい宍道湖のおだやかな水面に心をゆるされて、やわらかい気持ちで宿をチェックアウトし、その足で、「松江しんじ湖温泉駅」から、一畑電鉄に乗った。
 
レトロ車両に心が躍る。
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1時間ほど、ゴトゴトと揺られて、
出雲大社前駅へ到着した。
 
<<出雲大社駅前>>
 
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縁結びカフェという喫茶店で、コーヒーを一杯。
ひと息ついたところで、
いざ、出雲大社参道を進む。
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出雲大社が、以前来た時よりとても鮮烈な強い空気を持っているように感じられ、圧倒され、畏怖の念を覚える。
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平成の大遷宮の文字。
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八百万の神々様にお参りをさせていただき、…
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参道を後にした。
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<<島根ワイナリー>>
そのあとタクシーで、島根ワイナリーに。
ワイン工場を見学して、ワインを試飲したり購入をした。
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 ワインを楽しんだ後、出雲市駅にいったん戻り、
いよいよ美保関へ向かう。
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<<美保関>>
 
到着した美保関。
あまりに美しくて胸がせつなくなる。
古い漁船、ポンポン線、定置網、波の調べ、ひそやかな人々の営み。
この小さな町に日本のかけがえのない文化や人の思いが凝縮されている。
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美保関・境港のすばらしい魚介類を頂いた。
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明日は朝から、美保神社に参拝させて頂き・青石畳通りを散策し、
午後は境港水木しげるロードを楽しむ予定です。
そして夜は皆生温泉へ。

山陰の旅 1日目

10代のころ、ふと思い立ち鈍行列車の一人旅ではじめておとずれたときから、わけもなく懐かしくて、既視感が強い山陰地方。自分の故郷はここにちがいない、きっと遠い先祖が暮らしていたのだと、勝手に思っている。
そんな山陰へは何度も旅をしてきたが、今年も訪れた。
 
まずは1日目は、松江宍道湖畔で宿泊する。
 
東京から岡山へ行き
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岡山からやくも号にのって松江を目指す。
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高梁川の流れが美しい。
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鳥取県に入るとほどなく、うつくしい大山が姿をあらわす。
ふっくらとした慈悲深い姿の山体にしばし心を奪われた。
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松江駅からはタクシーで宍道湖畔へ。
到着したのは、ちょうど最高の日没のころ。
釣り人たちが幸福そうにはしゃいでいた。
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奇跡のようなサンセットを見ることができた。
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夜は、お刺身等をいただき
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宍道湖もすっかり夜を迎え
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わたしは、シジミ目玉のおやじストラップとともに眠ることとする。
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この場所にいるだけで、心が洗われていく。
 
明日は、出雲大社美保神社を目指して旅をする予定です。

The Thing <遊星からの物体X>

宇宙に未知の生物がいる可能性に興味を持ったのは小学生の時だった。その時からずっと、なぜか私は、「宇宙人は、ほかの宇宙からきている。」と思っている。ほかの星ではなく、ほかの宇宙からきているのだと、ずっと思っている。

中学生くらいの時には、何度もUFOを見かけた。5つか7つくらいの、白色の発光体が隊列をなしてジグザグに空を駆けていた。父も一緒に見たこともある。幻覚ではないと確認できた経験になった。飛行機でもない、戦闘機でもない、分裂したりくっついたりしながら飛行する発光体だった。私の中で、宇宙人というのはいつもとても恐ろしい存在としてあった。

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John Howard Carpenterの作品はとても好きで、SF系では「ゼイリブ」が非常に興味を持ち夢中になった。スプラッター・ホラー系では個人的に最高傑作と思っている「ハロウィン」もJohn Howard Carpenterの監督作品である。

遊星からの物体X」も、あらためて見てみて、やはり面白かった。

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墜落したUFOに乗っていた未知の生物が、極寒の地で氷漬けとなっていた。その生物が再び動き始め、人間に擬態しながら人間を襲い始めるという物語だ。

 

未知の生物の、人間に擬態する性質故、誰が人間で誰が人間ではないのか見分けることが難しく、仲間たちが疑心暗鬼に陥っていくプロセスは映画「The Mist」でも踏襲されている。実際、「The Mist」では、この映画のポスターが表示されるシーンもある。

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しかし「The Mist」では、人間の極限状態での心理的恐怖に焦点があてられていたが、「The Thing」では、純粋に、The Thingそのものが怖い。

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この恐ろしいThingのルックスは、漫画「寄生獣」のクリーチャーのモデリングなどにも影響が見て取れる。

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宇宙から現れる何かが、人間社会を震撼させるというテーマは、荒唐無稽なようでいつも特殊なリアリティをともなっていると、個人的には思う。

たとえばウイルスや昆虫だって、宇宙由来という説があるのだから。


意外にもそれはすでに始まっていて、人類は上手にそれらと共存している…ということかもしれないのだ。

 

SF映画は面白い。何度でも観たくなる。いろいろなことを考える。

神津牧場のチーズ<ゴーダ&チェダー>

 
道の駅ならぬ「食の駅」所沢店というところに行ってみた。
店内は地域でとれた特産品がいっぱい。
しかし中には、地域でとれた特産品でないものも普通にならんでいた…。
その中のひとつ。美味しそうなので買ってみた。
神津牧場(群馬県の牧場さん)のチーズ。
 
ゴーダチーズは、食べやすいナチュラルな、だけどしっかりした風味。
食べた瞬間は、結構風味が強いかなとドキっとするけど、
食後はサラリとミルキーで心地よい食べ口。
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チェダーのほうは、すこし発酵臭のような風味がありクセがある。
こちらはゴーダの逆で、最初は「意外と食べやすいな」と思うのだけど、
食後に残る風味は結構独特で、あとを引く。
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どちらもおいしかった。チーズ好きとしては、たまらない。
これでワインも飲めたらうれしいのだけど、明日の予定もあるし、我慢我慢。
 
ところで全然関係ないけど、
西武線の連結部ドアに貼ってあったシールがかわいい。
透明ドアにぶつかる人がいるんだろう。
シールを貼ることで衝突を防止しているようである。
 
生まれかけの足の出た卵がかわいい。
 
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愛すること愛されること

さみしい生い立ちをしたという友人が、

妻子がありながら不貞行為を繰り返している。

彼曰く、

「どうしてもさみしい、埋まらない孤独がある」という。

その孤独が、不貞に駆り立てるのだと。

 

しかし、結果的に、彼は妻子にも疑われぎくしゃくし、

不貞の関係など、長持ちするわけもなく、

孤独も闇も埋まるどころか増すばかり…であり、

私は心配しそのことを指摘するのだが、

彼は「いまさら。自分を変えることなどできないよ」と強弁する。

 

そうやって諦めたように生きている人を見るのは、

とても切ない。

 

なぜ彼はそれほどにさみしいのか。…時々考える。

生い立ちだけの所為ではないだろう。

彼の心の特性があるのだろう。

 

彼は臆病であり、愛することも愛されることも恐れているように見える。

もしかしたら彼は愛を理想化しているのかもしれない。

自分の中の愛に気が付いていないから、そのようになるのではないか。

 

愛されないことが耐えられず、愛することもできず、

いろいろなものに価値が感じられなくなり、

破滅的になっているように思える。

 

彼は言う。

「あなたに私の気持ちはわかりませんよ」

「生きているのは面倒くさい」

「長く生きたいとは思わない」…。

 

私は彼に問う。

 

「ほんとうに、それでいいの?」

 

彼は答えずに、冷たい表情のまま、窓の外に目を逸らした。

 

もう梅が咲き始め、

春はすぐそこなのに、

彼の心は湖の底のようにひえきっている。

 

私は彼が可哀そうだ。

 

どうすれば彼は救われるのだろう…。


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The Mist

後味がよくない映画…として有名な「The Mist」をHuluで見た。

興味深い映画だった。

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ある日急に、街が不可解な霧に包まれ、

謎の化物が霧とともに現れ人を襲い始める。

しかしこの映画のテーマは、その化物の恐怖ではなく、

極限状態での人間の心のおそろしさだと感じた。

 

霧に包まれ化物にかこまれたスーパーマーケットで一夜を過ごす人々の精神は荒廃し始め、やがて、

「化物が現れたのは、かみへの冒涜のせいなので、生贄をさしだせ」

という女が現れる。

普通に考えれば、それは異常な話なのだが、

多くの人々がその女に賛同し、

罪のない若い軍人を実際に生贄として差し出してしまう。

 

また、主人公の男性は、ヒロイックな行動をとるがどれも冷静さがなく、

ことごとく悪い結果を生み、

最終的には、絶望し、

家族を殺害し自殺をはかるものの、

自分だけ生き延びてしまう。

 

助けあい、生存しなければならない状況の中で、

人間同士が疑心暗鬼となりあやまちをかさねていく。

 

私は、

「実際には、もっと人間は冷静に行動するだろう」

と思った。

それと同時に

「しかしこれは人間の一面の真実の姿かもしれない」

とも思った。

心の中には、こういう人格を持っている人は多いのではないだろうか。

もしかしたら、自分自身も。

 

最後の場面、

あと5分主人公が絶望に耐えたなら、

多くの人の生命が助かった。

 

本当に怖いのは自分の心。

本当に戦うべきなのは自分の心。

それを表現したい意図の映画だと思う。

 

どんなに絶望的な状況でも、絶望しない心。

どんなに追い詰められた状況でも、正気を失わない精神力。

 

それを鍛えていかないとこうなってしまうのだな…と

痛切に感じることができてよかった。