自然の生命(いのち)の力 resilience

精神科病院で働いています。診療情報管理士通教84期。五感を癒して自然治癒力を高めるセラピーについても関心があります。一人旅が好きなので、旅のことも、時折書きたいと思います。ICD10リスト&要約ブログ作成開始。http://sizen.upper.jp/icd-10/

雷 <神立 カンダチ>・生命の神秘

 
 一昨日の深夜、私の住む町に、
雷鳴が轟いた。
非常に大きな雷が続く一夜となった。
 
雷雲の近づく前には、
町中の犬や猫が遠吠えしたり泣き叫んだりして、
ただならぬ雰囲気があった。
 
やがて豪雨とともに雷鳴が轟き、
稲光を伴い我が家の真上まで雷雲が及んだ。
その後一時間ほどに渡って雷は付近に鳴り渡った。
 
何度となく閃光する稲妻と、うなる雷鳴は、家中を照らしつけ、
すべてが吹き飛んでしまいそうに感じるような強い力だった。
私は子供の時から雷が怖くて、鳴り始めると身体がすくんでしまうタイプで、
この夜も、怖くてしかたがなかった。
 
こんなに大きな雷は体験したことがない、というほどの大きな雷槌が続き、
やがて、不思議なことに、
私は恐怖以上に、その在り様に神秘を感じはじめた。
 
雷の語源は
<神鳴り>
であり
地域によっては雷のことを
<カンダチ(神立ち)>
と呼ぶと、
以前、本で読んだことがある。
その語源が理解できるような気がした。
 
古代の人が、この巨大な雷槌にひれ伏し、
これは人間の存在を超越するような何かがこの世に鳴らす音、
この世を照らす光であると、
感じ解釈したその心理が、とても理解できた。
 

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実際、雷は、生命の誕生の不思議にも深く関与しているとされている。

原始の海を模した溶液に雷を模した放電をすると、アミノ酸が生成することが証明されている等、

生命の基礎となる様々な物質の生成には雷の(放電の)力が作用したことは度々語られてきた。

 
 私達の肉体の素材は、古代、海に雷が落ちたところから始まる…と思うと、
とても神秘的で感動を覚える。
 
人が雷のことを、どのように解釈してきたのか、
民俗的な履歴もまた紐解いてみたいと、
そんな風に思った一夜だった。