The Thing <遊星からの物体X>
宇宙に未知の生物がいる可能性に興味を持ったのは小学生の時だった。その時からずっと、なぜか私は、「宇宙人は、ほかの宇宙からきている。」と思っている。ほかの星ではなく、ほかの宇宙からきているのだと、ずっと思っている。
中学生くらいの時には、何度もUFOを見かけた。5つか7つくらいの、白色の発光体が隊列をなしてジグザグに空を駆けていた。父も一緒に見たこともある。幻覚ではないと確認できた経験になった。飛行機でもない、戦闘機でもない、分裂したりくっついたりしながら飛行する発光体だった。私の中で、宇宙人というのはいつもとても恐ろしい存在としてあった。
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John Howard Carpenterの作品はとても好きで、SF系では「ゼイリブ」が非常に興味を持ち夢中になった。スプラッター・ホラー系では個人的に最高傑作と思っている「ハロウィン」もJohn Howard Carpenterの監督作品である。
「遊星からの物体X」も、あらためて見てみて、やはり面白かった。
墜落したUFOに乗っていた未知の生物が、極寒の地で氷漬けとなっていた。その生物が再び動き始め、人間に擬態しながら人間を襲い始めるという物語だ。
未知の生物の、人間に擬態する性質故、誰が人間で誰が人間ではないのか見分けることが難しく、仲間たちが疑心暗鬼に陥っていくプロセスは映画「The Mist」でも踏襲されている。実際、「The Mist」では、この映画のポスターが表示されるシーンもある。
しかし「The Mist」では、人間の極限状態での心理的恐怖に焦点があてられていたが、「The Thing」では、純粋に、The Thingそのものが怖い。
この恐ろしいThingのルックスは、漫画「寄生獣」のクリーチャーのモデリングなどにも影響が見て取れる。
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宇宙から現れる何かが、人間社会を震撼させるというテーマは、荒唐無稽なようでいつも特殊なリアリティをともなっていると、個人的には思う。
たとえばウイルスや昆虫だって、宇宙由来という説があるのだから。
意外にもそれはすでに始まっていて、人類は上手にそれらと共存している…ということかもしれないのだ。
SF映画は面白い。何度でも観たくなる。いろいろなことを考える。